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若い頃には買えなかった“とっておき”ガラス器コレクション
□ 若い頃には買えなかった
“とっておき”ガラス器コレクション


自分のお気に入りの器を使う─
そこには大人としての豊かな愉しみがある。
“我が家の食器棚に入閣させたい”
GG お薦めのガラス器たちを特集してみた。

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若い頃には買えなかった“とっておき”ガラス器コレクション

写真 1
『緑風大鉢』¥15000

写真 2
『銀彩グラス』¥5800

自分のお気に入りの器を使う─

ただこれだけのことではあるが、
単調になりがちな日々の生活に
計り知れない彩りを添えてくれる
とても豊かな行為であると思う。

かつて日本は古来よりガラス器は
“手軽で安価な雑器”として発達してきた歴史がある。
しかしここにきて日本のガラス工芸もようやく成熟期を迎え、
愛用するに足る、充分な資質を備えた作品が出揃ったと思う。


例えばこの
『緑風大鉢』(写真1)である。

大きく大胆に貼りめぐらされた箔が
グリーンのボディを通してとても美しい。
口部の折り返しもこの器の絶妙なアクセントとなっている。

また、よくガラス作家達はこんな言葉を口にする。
自分なりの使い方で楽しんでもらって大いに結構

そこで本来はロックグラスとして制作・販売されている
この『銀彩グラス』(写真2)
蕎麦猪口として活用するのはいかがだろうか?
試してみると、実に具合が良いことに驚かされる。

何も手作りの工芸品だからといって遠慮することはない。
器とは本来自分に合った使い方をすることが一番なのだ。
ぜひ、自由に自分だけのアレンジを楽しもうではないか

若い頃には買えなかった“とっておき”ガラス器コレクション

写真 3
『マリン鉢』¥3750

写真 4
『いろいろ碗』¥2500

ガラスの作品はその透明性から陶器には持ち得ない
澄み切った美しさこそが魅力の真骨頂であると思う。

そしてそれが熱く溶けた灼熱の地獄から生まれてくる、
というその生い立ちの不思議さに思いを馳せるとき、
私達のガラス工芸作品への興味は尽きることはない。


そこでこの
『マリン鉢』(写真3)

『いろいろ碗』(写真4)
を見て欲しい。

あくまでガラス器として用の美を崩さず
しかし巧みに遊び心を盛り込んだそのデザイン
大人であっても思わず可愛いという
言葉を使いたくなってしまう出来栄えである。
もちろん、ガラスならではの透明性だからこそ
成り立つデザインであることは言うまでもない。

また、決して主張し過ぎない、角の取れたセンスにも注目したい。

貴方はこれらの作品達をそれのみの単品で見たときに
少し物足りなさを感じる、そんな印象を持たないだろうか?
しかしそれはあくまで“器が主役であってはならない”という
大前提を頑なに守っている証拠でもある。
この器たちを手にした貴方が何かを入れて(盛り付けて)、
初めてこれらは美しく完結するようデザインされている。


作家達は最大の愉しみを貴方のために残してくれているのだ。

若い頃には買えなかった“とっておき”ガラス器コレクション

写真 5
『遊線鉢』¥5800

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写真 6
『民芸鉢』¥2500

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若い頃には買えなかった“とっておき”ガラス器コレクション
若い頃には買えなかった“とっておき”ガラス器コレクション

ガラス工芸は光を見方にしていくジャンルでもある。
ガラス作家達は形そのものだけでなく、
光を取り込んだときにどのような輝きを見せるか?
それすらも表現の一つとしてデザインしている。


この
『遊線鉢』(写真5)を見ていただければ分かりやすい。

華やかにたゆたうガラスの曲線と底部ではじける泡が
光を受けて何とも言えない美しい表情を作品に作り出している。
まさに“光ありき”なデザインが成されている。

また、同じく光を利用したデザインでも
こちらの
『民芸鉢』(写真6)
少し違ったアプローチを試みている。

鉄製の枠の中にガラスを吹き込むことで底部に模様を付ける
モールド技法を用い線状のテクスチャーを付けている。
ガラスは細かい泡が入った荒い状態のものを使用し、
敢えて昔の低品質なガラスの状態をうまく再現している。
細かい泡とモールによるテクスチャー、
これらが光によってより一層美しい表情を作り出すのだ。


もはや“ガラスは夏だけのもの”というイメージは
完全に過去のものとなったと言えるだろう。
アイスクリームが通年通して売れるようになったのと同様に

ここで紹介したガラス作品達も涼感だけを売り物としていた
過去の安物イメージなど微塵も残ってはいない。

今やガラス工芸品は大人が愛でるにふさわしい
貫禄と素質をしっかりと備えているのである。